きのうの実験で、次のことが分かりました。結果としては失敗でしたが、学ぶことはたくさんありました!
・家庭用冷蔵庫のキューブアイスでもふわふわ氷を作ることができた
・コツはカンナの刃に対してキューブアイスの底面をしっかり当てること
・氷が斜めに当たるとガリガリ君になる
・氷を縦に積んで200gのアイスを作るのはなかなか難しい(高さが24cm超)
(氷が滑って動力が伝わりにくい、縦に入れにくい)
・よって、氷を平面上に並べるのが良いのではないか?(3個×3個×1段=9個でかき氷150g可能)
・やはりモータードライブのほうが安心だ。(コンパクト、トルクが安定、長時間回転)
この結果に基づいて、ラフ案part2を描きました!
こんなフィフティーズっぽい宇宙船スタイルはどうでしょう?
初期のころのipodのウラ面のように、全身鏡面仕上げピカピカのステンレスを想定しています。
これはこれで、なかなかイケてるやん! と、自画自賛モードで藤原先生に見てもらいました。
ところが、藤原先生からはNGのお返事が! (T_T)
このメカニズム(横型にしてキューブアイスを1個ずつ並べて削る)からはイノベーションは感じられない。(最先端の機能がデザイン化するのではなく、)デザインが丸か四角か、小手先の見栄えの良さしか追求できないのではないか?
だとすると、もっと見栄えの良いものにすぐに追いつかれ、追い抜かれてしまう。
最初のアイディア、「キューブアイスを縦に(バーチカルに)並べて削るマシン」は作れないだろうか?1人分5つとか、2人分で10個までとか。下から削るのが無理なら、縦に並べて横を削りとる機構の可能性は?
鋭いご意見です。
先生はご自身のデザインワークとして、ネオジャパネスクの自動巻腕時計Japanシリーズや大人のランドセルEMUを開発されており、「ものづくり」に相当のこだわりをもたれているのでした。
確かにこのラフ案part2は従来のメカニズムを踏襲したものなので、イノベーションでもなんでもありませんよね。仮に秀逸なデザインだとして発売してもすぐにマネされてしまいます。
もう一度最初の出発点に戻ることにしました。
最初の氷削実験でキューブアイスの底面をカンナで削れば、キューブアイスでもブロックアイス並みのふわふわなかき氷ができたので、これを元にできたのが第1案のタテ 型でした。タテ型のスマートな体型は、関西でいう「シュッとして」いて男前です。笑
しかし、道具としての実用性や大きさを考えていくと、様々な課題が出てきました。
(タテ型の解決すべき課題)
タテ1列に6~9コは長すぎる。(20~27cmになり押さえ棒を含めるとその倍の長さが必要)
↓
2列にする?→ブタになる。笑(デザイン要検討)
底面に刃、上部の氷押さえが回転では、真ん中の氷がすべって動力が伝わらない
↓
氷をサヤのなかにいれて、サヤごと回転させる?
細い挿入口では氷が入れにくい → 雑に入れると氷が斜めになってガリガリ君アイスになる
↓
氷が自然とタテ積みになるようなアシストが必要。
その他、
マシンの中に最後残った氷のスマートな取り出し方(必ず最後に残る)
など、デザインラフの制作にたどり着く前に解決しておくべきことがまだまだあります。
しかしこれらの課題をクリアし、そのメカニズムを納めるスマートなフォルムを作り出すことこそイノベーションだし、「デザイン」ですね。
そしてこのプロセスを経て、本当の「21世紀のかき氷マシン」が完成します。
がんばるそ!
つづく。
stu-art (スチュアート)は、イタリアのデザイナー・アーティストを応援しています。
http://www.stu-art.jp
mail:info@stu-art.jp ※ @は半角に置き換えて下さい。