月別アーカイブ: 2017年2月

プロトタイプの制作②  ~himuro開発ストーリー#28

いよいよ本格的にプロトタイプの制作に着手しました。

ホームセンターで必要な工具や金具を取りそろえ、オフィスはエラいことになってきました。
町工場さながらの部屋にカッコつけて「FabLab himuro」と名付けてみたもののすぐに作業に没頭してネーミングのことなどすっかり忘れてしまいました。(笑)

すべての部品は、既製の何かのパーツやホームセンターの金具類なのでhimuroに必要なサイズに加工しなければなりません。高速切断機やグラインダーで鉄板やステーを適切なサイズに切り、ビス穴ひとつから作っていきます。
鉄板にドリルで穴をあけるとき、刃の回転力で開ける位置が微妙にズレてしまいます。そこでポンチで一度金具に凹みをつけてからドリルを使うことや、ドリルの初動回転速度は速いほうがズレにくいことなど、失敗を繰り返しながら覚えていきました。
これでこれからも金属加工はバッチリです。(って、他に何の役に立つんだ?笑)

つづく。

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プロトタイプの制作①  ~himuro開発ストーリー#27

プロトタイプマシンの自作に取りかかる前に、まず納めたいサイズでのメカニズムを見直しました。
ミラノ工科大学の学生が作ってくれたレンダリング図からサイズを割り出し、ホームセンターで売っている金具やアルミ板でおよそのバランスや位置関係を確認します。

学生が考案したこの丸いデザインで製品化するなら、高さを30cm前後まで小さくしないと「カワイイ!」とならないので、それを目標にダウンサイジングを図っていきます。

ところがこれが結構難しいです。氷を2列横に並べスライドパネルで削るとすれば、横幅がどうしても20cm強必要です。氷容体(氷を入れるところ)の幅を最小75mmにして左右にスライドするパネルの移動幅(左右に各35mm、さらに駆動ローラー45mm)を加算すると20cmを超えてきます。
これで高さを30cm未満にしようとすると横ブタなデザインになってしまって、学生がデザインしたフォルムになりません。

次の策として前面パネルを固定し内側の氷容体を左右にスライドさせるメカニズムを考えてみました。これなら横幅18cm未満に出来そうですが、メカニズムが相当複雑になります。
しかし刃が取り付けられた前面パネルを固定すれば、削っている最中に刃の出具合が調節できるので、氷削性能は格段に良くなるはずです。電気的に制御してボタン1つで刃を前後できれば最高です。 さらにこれをwifiかBluetoothで接続したスマホから操作できればもっとCOOL!(笑)

ホームセンターで揃えた金具やステーだけで制作してるのでとても不格好ですが、FRP製カバーで覆えばなんとかなりそうなので、まずはこのメカニズムで満足に氷が削れる状態に持っていくことにしました。

 

そして最大のハードルは、カバー制作です。
3Dプリンティングも射出成形も予算的に無理なので、いろいろな方法を検討したところ一番現実的な解決策はFRPによる制作でした。
FRPは、車のスポイラー、バイクのカウル、プレジャーボート等に利用される素材です。粘土や石膏、シリコン等で型をつくり、そこにハケで塗り込んで制作するので、1コから手作りできます。車やバイクの改造パーツなので、もしかしたら自動車屋さんで頼めば作ってくれるかもしれません。完成すれば車の外装同様、綺麗に塗装できるのも魅力的です。

さっそく昨年藤原先生を通じて知り合ったムカイモータースさんに相談してみました。ムカイさんは、いろいろと関係先をあたってくださり、東大阪のFRP専門の工芸社を紹介してくださいました。また正面(刃を取り付ける)の丸顔部分は、文字通りプロトタイプの「顔」になるので、こちらは古くからの付き合いである三岡商事という奈良の老舗の看板屋さんに鏡面ステンレスで制作してもらうことにしました。

 

さあ、いよいよプロトタイプの制作です!

つづく。

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