月別アーカイブ: 2016年9月

Design Workshop in Milano part2 ~himuro開発ストーリー#21

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十数人集まった学生たちは、ミラノ工科大学のプロダクトデザイン、ファッションデザイン、グラフィックデザイン、コピーライティングなどさまざまな学部を卒業後、マスターコースでデザインコミュニケーションを学んでいます。教授はコミュニケーション→デザイン→コミュニケーションという考えの持ち主で、まず何を伝えたいのかというところから出発し、さらにそれをどんなふうに伝えるのかというデザイン手法を学生たちに研究させています。
今回のhimuroプロジェクトは、そういう学生にとって格好の教材になるということで、この経験から多くのことを学ばせたいそうです。

かき氷体験の後、質疑応答に入り、学生からは、かき氷マシンのことに限らず、日本人が知るイタリアンブランド、日本人の好みや性質・習慣、最近日本で流行ったこと、奈良のことなどさまざまな質問が出ました。

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<リサーチ>
その上で、イタリア国内のさまざまな分野から、 himuroが求めるデザインに関するリサーチを行い、1週間後、約50ページにおよぶコンセプトシートにまとめました。

・プロダクトデザイン
・建築
・ファッション
・クルマ・バイク など

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<コンセプト>
・透明感
・冷たさ
・結晶
これらを具現化する素材や色も検討していきました。

世界的に優れたイタリアンデザインは、デザイナーの単なる思いつきや発想ではなく、綿密なリサーチや議論と検証によって創り出されていたのです!

こういうデザイン教育が、これからの日本でも絶対必要だということを改めて実感しました。

つづく。

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mail:info@stu-art.jp ※ @は半角に置き換えて下さい。

Design Workshop in Milano ~himuro開発ストーリー#20

新しいメカニズムのかき氷製造機のサイズを決めるために、ヒガシモトキカイの松本さんと国際電話をしながらぎりぎりまでデザインのベースサイズとパーツの配置を考えました。

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このデザインベースをもとにミラノ工科大学の大学院生チームとワークショップを開きました。

 

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ワークショップの最初は、かき氷というのを知らないミラネーゼになんたるかを教えるために、日本からハンディタイプのかき氷機、メロン・イチゴ・ブルーハワイなどの定番シロップとともにこれぞ日本の(自分的には)No1かき氷というべき練乳+あずきぜんざい=ミルク金時も持参し、準備万端!のつもりでしたが、肝心の氷が近所のスーパーで販売していませんでした。泣
そこで向こうの教授にお願いし急遽研究室にある冷凍庫で前日から氷を作っていただきました。
彼らは日本から持ち込んだシロップ以外にも、エスプレッソに練乳を加えたり、マーマレードジャムにフレッシュライムを搾ったり、テキーラを混ぜるなど、いろいろなバリエーションを試しながら楽しみました。

そんな中で、
「みなさん、こういう冷たいデザートは夏に食べますよね?でもこんなふうに私たちが夏にかき氷を食べることができるようになったのは冷凍庫が普及してからのことです。
日本ではこの氷を食べる文化が1700年前(4世紀)から成立しています。冷凍庫がない時代氷は大変貴重で当時は天皇に献上され、そういう人たちだけが食していました・・・」なんて、おおいに値打ちを持たせながら(笑)日本古来の文化であるかき氷を印象づけ、昨今のブームとメニューの進化、しかしマシンデザインは変わっていないこと、himuroはDesigned by Italy, Made in Japanという世界一のコラボレーションでここに参入したいことなどを伝え、マシンメカニズムの説明に入りました。

ワークショップの当日までマシン内のパーツレイアウトに悩み(迷い)、ぎりぎりまでヒガシモトキカイの松本さんと国際電話でやりとりし ました。
松本さんはさっそく図面やラフスケッチを作成してメールで送ってくださり、おかげさまでワークショップの終盤にはそれを学生たちに提示することができました。週明け月曜日のお忙しいところだったのできっと大変なご苦労をおかけしたと思います。
改めてヒガシモトキカイさんに厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました!

つづく。

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神の啓示か、ギリギリで次世代メカニズムができる! ~himuro開発ストーリー#19

8月5日にイタリア旅程をFIXして20日たち、もうそろそろデザインするhimuroのメカニズムを確定させなければなりません。

そう思いながら車で事務所に向かう途中雨が降ってきたので、ワイパーを動かしました。

頭のなかで☆があり、

ついに閃きました!

次世代のメカニズム

↓これです↓

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そうです、これは、氷を横からスライドで削ります。
室町時代にはじめて登場したであろう「台カンナ」の応用です。

思えば、最初の氷削実験でキューブアイスの底面をカンナで削れば、キューブアイスでもブロックアイス並みのふわふわなかき氷ができたのが出発点でした。

カフェが気軽に導入できるキューブアイス型(しかし、実はブロックアイスも削ることもできます。)でありながらブロックアイスレベルのふわふわ食感
キーテクノロジーは 新開発のスライドシェイブ機構
さらに、
2種類の氷を同時に削るデュアルシェイブシステムによって、たとえば、イチゴの果汁を凍らせた氷とミルクを凍らせた氷を同時に削って、2色に分かれて盛りつけるデコレートも可能です。

この ジャパンテクノロジーに、クールなイタリアンデザインを採用すれば、世界品質の融合で素晴らしい製品が生まれるかもしれません。

神の啓示というくらいギリギリでの発案でした。
これをもって、ミラノへ行きました!

つづく。

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