「だったら自分で開発したらいいじゃん!」
2016年4月、今年度から奈良市立一条高校の校長に赴任された藤原先生と、奈良で創業140余年を迎える印刷会社明新社の乾社長との食事会で、stu-artプロジェクトの話をおふたりに聞いてもらっていました。
2年前あるかき氷機製造メーカーから新製品にイタリア芸術学校の学生デザインを採用する案件をもらいましたがうまく進まず、「デザインというカタチのないものを売るって難しいですね」と、弱音を吐く私に藤原先生がこう言いました。
「かき氷製造機をですか??」
「かき氷製造機いいですね!氷室神社って知ってる?」と乾社長が話し始めました。
東大寺の西側にある氷室神社は奈良時代に創建された氷の聖地で、毎年5月に献氷祭が行われ全国の製氷業者、氷小売業者が集まります。さらに数年前から県内の有名かき氷店だけでなく全国の人気かき氷店が結集しオリジナルのかき氷メニューを競う「ひむろしらゆき祭」が開催されているとのこと。
「イタリアンデザインの新しいかき氷製造機を奈良で開発して、来年のしらゆき祭に出店したら絶対おもしろい!」
酔った勢いも手伝ってあっさりと新しいプロジェクトが生まれました。
しかし、イタリアンデザインは良いとしてモノづくりの経験のない自分に製品開発などできるのか?
酒の席の戯れ言だよなこれは・・・・
と、帰宅後思い返していたときに、少し前に読んだメイカーズのワクワク感を思い出しました。
メイカーズ/クリスアンダーソン著
デジタルによる革命は、これからが本番だ!
21世紀の製造業は、アイデアとラップトップさえあれば誰もが自宅で始められる。ウェブの世界で起こった創作と発明手段の民主化が、もの作りの世界でも始まったのだ。メイカーズ(モノ作る人々)の革命が、世界の産業構造を再び変える!ベストセラー『フリー』『ロングテール』の著者が描く、次のパラダイムシフト。(NHK出版サイトより)
そう、アイデアとパソコンがあればできるんじゃないか!
かき氷製造機は、氷を上から押さえて回して削るだけの単純な構造だし。
(製造メーカーの方すみません!<(_ _)>)
と、かき氷製造機より単純な思考回路でやってみることを決心したのでした。
つづく。
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