量産後の販売台数のことは少し横においといても、生産を始めるまでの金型等のイニシャルコストだけでも相当なものになります。販売台数の見込みも持てない現段階で簡単に始めることはできません。
もう製品化は無理ではないか。。。。
正直、そういうことが頭によぎりながら、久しぶりに藤原先生とお会いしました。奈良駅の近くにある沖縄料理店で、しらゆき祭後の池永鉄工さんとのやりとりを説明し、このままでは製品化は大変厳しい状況ですと。。
じっくりと説明を聞かれた藤原先生は、池永鉄工さんがパーツ構造の分析や製造原価の見積りなど、ここまで真摯に対応してくれたということは、himuroプロジェクトはまんざら捨てたものではないのではないか?
だとすれば、ここであきらめずにもう少し前に進めてみたらどうかと話されました。
そしてご自身のデザインワークや製品開発のご経験から、金型などを海外で生産するアイデアとともに、いっそ発想を変えて数千台の量産ではなく、徹底的に職人の手作りにこだわった限定生産にしてはどうかと提案されました。
一般的なコンシュマーをターゲットにした大量生産品ではなく、世界の富裕層を相手にしたプレミアム品質の製品です。実際アラブの石油王などがプライベートジェットで関西国際空港に降り立ちヘリコプターに乗り換えて奈良まで来て、とんでもなく高額な美術工芸品などを購入しているらしいのです。こういう人々が日本古来の食文化であるかき氷を知り、ホームパーティでお客に振る舞うような使われ方だって、あるのではないか。。
そうか!
製品化=量産ではなく、機械製品なのだから職人の手作りで生産することも考えられる。もちろん品質はとことん極めなければならないが、世界的なブームにある日本食のデザートとして、日本古来からの食文化「かき氷」を世界の富裕層に知らしめるとともに、日本の優れた職人技で製品をつくりMade in Japanのすばらしさを再認識してもらえるような製品にすればいい。2020年には東京オリンピックも控えており今後ますます日本の文化や日本食が世界中から注目されるチャンスでもある。。。
目の前がパッと明るくなる気がしました。
himuro PV → https://youtu.be/kuvod81lXj8
つづく。
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