先日製作したMock-upサイズに従い、原寸サイズでの氷削実験を試みました。
メカニズムはこんなイメージです。
TypeA(タテ3列×3連の氷を1枚の刃で削る)
TypeAの特長は、
想定されるメリット
・氷削品質が安定している。
・刃の調節が1カ所で済む。
・3連の氷のフレイバーを変えることで、オリジナルメニューが考案できる
・製造コストが安い
想定されるデメリット
・削る音が大きいかも
・2段目の氷を削る際に、氷の粗さが変わることがある。
・氷の充填が、筒が細いので入れにくい(機構的な工夫が必要)
続いて、TypeB(タテ3列×3連の氷をそれぞれ3枚の刃で削る)を考えました。
TypeBの特長は
想定されるメリット
・氷削機構が一番先進的(イノベーションが感じられる)
・削る音が、一番小さい
・3連の氷のフレイバーを変えることで、オリジナルメニューが考案できる
・3つの刃が別々に削るので、色の違うかき氷を盛りつけることができる。
想定されるデメリット
・刃の調節がめんどう
・よって氷削品質が安定しないかも
・2段目の氷を削る際に、氷の粗さが変わることがある。
・氷の充填が、筒が細いので入れにくい(機構的な工夫が必要)
・ 一番機構が複雑なので、製造コストが高い
これらの仮説を実際に確かめたいと思います。
モーターや底辺の刃の部分をゼロから加工制作するのは時間もコストもかかるため、例によって市販のかき氷製造機を購入し、氷を回転させるサヤの部分をちょこっと改造し、キューブアイス3個をタテに回転させる仕組みを作りました。
この方法で満足のいく食感のかき氷ができるのか・・・・???
この実験機の氷を収納するところは直径95mmあり、ちょうどTypeBとほぼ同サイズですので、氷の収容部分に多めのエアコン断熱材と塩ビのパイプで図のようにして削ってみました。
結果、大成功!! \(^^)/
家庭用冷蔵庫の氷や、業務用製氷機でできる氷サイズを試しましたが、いずれもふわふわ氷を作ることができました!
かき氷専業店が主に使用するのはブロック アイス型の機種で、キューブアイス型の機種ではふわふわな食感にならないというのが定説でした。
しかし、これは既存のキューブアイス型かき氷製造機の氷削機構が、氷をかく拌して削るようになっているからです。
もともとブロックアイス型のかき氷製造機は、立方体の氷を上から押さえて回転させ、底辺の刃物で削る単純な機構です。
一方キューブアイスも立方体ですから、上記の機構をそのまま縮小すれば同じではないかというのが、今回の開発コンセプトのスタートでした。
今回の実験でそれが証明できたと思います。
ふわふわに削るポイントは
・冷蔵庫から氷を出して表面が少し溶けるまで放置する
・キューブアイスの底面に刃を当てる
・刃の出し具合と角度に注意する
・上記を注意すれば、ブロックアイスでもキューブアイスでも結果は同じ
ということです。
こういう結論に基づくと、キューブアイスはダメとか、ブロックアイス(純氷)でないとダメとかいうのは、実はそれほど大差がないのかもしれません。
あくまで食感ですから、感じ方には個人差があります。
私はどちらかというと無頓着な方なのでアテにならないかもしれませんが、ふわふわのかき氷ができたとして、その上に甘いシロップやさまざまなフレーバーをトッピングした時点でかき氷の表面は溶けますので、そこまでの氷のきめ細かさの違いは分からないよう思うのです。それでも「天然氷だ、純氷だ」というのは、プラシーボ効果と同じで、そういう気持ちを作り出すさまざまな演出が効を奏しているだけなのかもしれませんね。 笑
(かき氷関係者のみなさん、すみません!)
つづく。
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